それで、それから。

甲信越地方の専業主婦の日々です。

これから必要になる教育は、Uターン教育。

地方から人口が都会へ移動している。

 

次の3月に卒業式を迎えて地元を離れて都会へ

または、大学や専門学校へ進学

または、親元を離れて就職する

という学生がたくさんいることだろう。

 

で、全国的にどうかとかいうのはよわからないのだけど、

私の同級生や地元が同じ人に限って言うと

そのまま進学先の土地に就職するとか、

そこで恋人ができて、結婚して、子どもがうまれて、家をかって、、、

というパターンの人が少なくない。

 

で、ふと気が付くと、親がいつのまにか高齢者とくくられる年齢になり

地元に帰るとなんだか人が少ないような、

シャッターが閉まったままのお店を見かけるようになり、、、。

 

まぁ、自分の育った町がどうなろうと、しったこっちゃない、

と思う人もいるだろうが、親が暮らしている場所が人口が少なくなることで

店が閉まったり交通の便が悪くなったりすれば

安心とは言い難いだろう。

 

それにしたって、なぜ地方から都会へ若者が行ったきり

帰ってこないのか。

確かに、若者(ここでは、10代後半から20代を若者と呼ぶことにする)の気持ちはすごくわかる。

雑誌、本、テレビ、スマホから色々な情報が入る、自分もお金をがっぽり稼げるという意味での成功者になれるかもしれないと思っちゃう、都会には遊ぶところが地方よりは多くある、親や家族よりも友達が重要に感じる時期だったりもする、、、

そもそも地方には県庁所在地か人口の多い街にばかり進学する大学や専門学校が集まっている。すると、その県内の高校生が都会にいかなければ県庁所在地の学校へ進学する。または近場の大きな街。例えば、私は生まれ東北なので東北各県から集まってくる仙台市のような。

 

若者の時は、自分と家族、までは視野にあるんだけど、地域や地元、まではきっかけがないと考えることがあまりないように思う。

だって、あって当たり前。空気のような存在だから。

地元からあまり出たことがなければ、比較のしようがないので

体験として自分の地元のよさなどにも気が付かない。

そもそも雑誌やテレビの情報を疑ってみる、というかこれは作り手の目線でつくられたものなので、自分はそう感じないかもしれない、という目線で情報を受け入れている学生がどれほどいるだろうか。

または、学校や家庭でそのような話をしているだろうか。

 

中高生や若者が、進学、就職までは目の前にある課題として本人、親、学校の先生が結構頑張って知恵出して考えることができるんだけど、その時結婚とか子どもとかまで考えているかは微妙。若者である本人は、人生経験も少ないし目の前の課題で精一杯かもしれないが、親などまわりの大人は人生の先輩として何かアドバイスできることはないだろうか。親の体験でもいいし、過去からの学びでもなんでもいい。

 

私の反省としては、アウェイ育児(と、地元から離れて子育てすることをいうらしい。)になっているけど、もう小学校にも通っていてこの土地から移動することに重い腰をあげないといけないこと、が、まず挙げられる。夫が忙しい仕事のために、入学式は私だけ出席。祖父母参観日があるけれど、どちらの祖父母も遠い場所で暮らしているので参加したことがない。などなど、自分の子ども時代とは違うことが多く、なんだか寂しい。

 

前置きが長くなったけど、これから地方活性化のために必要になる教育は、Uターン教育だと思う。観光に力を入れるのもいいし、特産品をアピールするのもいいけれど、まずはその土地に住む人を増やすっていうよりもそこで育った人が地元に戻って住むということが経済を維持していけるポイントではないかと思う。

 

女性が地元に戻って結婚、出産、子育てともなれば自分の親の近くで子育てができる。どの程度手伝ってもらえるかはそれぞれの家庭にもよるだろうが、一緒に七五三を祝ったり、運動会や行事をみにいったり、近くに子どもの成長を喜んでくれる誰かがいるって嬉しいだろうなと思う。それを夫にばかり求めていると、夫も負担だし、期待にこたえてくれないことにイライラしてしまう自分もつらい。

 

Uターン教育って、市長の固い話をきくってことじゃないのね。地元のそのへんのおじさんやおばさんの話をきかせる。幸せに地元で暮らしているおじさんおばさん。または、Iターンや結婚でその地域にきていて、ほかの地域に比べてこの街はここが優れているということ、この地域で暮らすメリットを話してくれる人。中学生や高校生がその地域にうまれたことを誇りに思えるようなことを言ってくれる人の話をきかせる。

 

それから、仕事を求めて都会に出る人も多いと思うけれど、大人になってどれくらいの収入があればどのような生活になるかっていうプランを考える機会を何度も与える。なりたい仕事、やりたい仕事も大事だけど、なりたいものがないなんて子にはこの仕事なら収入はいくらという選び方もありだ。ちゃんと、この収入は現在のもので将来はどうなるかわかりませんという但し書きをつけたうえで。そして、例えばプロスポーツ選手になって億稼ぎたいっていう子には、無理とか頑張れとか先生の感想をいうのではなくて、その職業につくのにはどれほどの狭き門かということをデータで示す。その後は本人の意思次第。

 

また、都会へ行ったことのない子に向けて、都会の暮らしとはこうですと経験者にはなしてもらう。都会で一人暮らし経験者と都会で子育て経験者に話してもらう。メリットもデメリットもはなしてもらう。そして、都会にあって地元にないもの、都会になくて地元にあるものを子どもたちで話し合う。都会にあって地元にないものは作り出せるかもしれない、と思う子がいるかもしれない。都会にあって地元にないけれど、別にいつもいつもなくてもいいから、たまに都会に行ってみればいい、と思う子もいるかもしれない。

 

できるだけ都会にも地元にも中立な立場で、と言いたいところだが、Uターン教育という名前だけに、地元に有利な立場で地元のいいところをたくさん伝えたらいいだろう。

 

私が中学生の頃、私よりもだいぶ成績の悪かった男の子、地域でも勉強の成績がよくない子がいくといわれる高校へいった。その後進学し現在全国どこでも食べていける資格を得て、私よりも収入がある。子どもの頃の成績ってそんなにあてにならない。だったらあの時もっと、未来について、人生について、幸せについて考えたり、知る機会があれば、どんなによかったかと思う。